Eiji Yamamoto Photography 「一瞬の0.360秒」


通りを歩いていて誰かとすれ違うときに、その誰かに対して「格好いい人」「綺麗な人」「画になる人」と感じることは誰しもあると思います。画になる人とは、例えば歩調の揃っている人たち、ベビーカーを押す人、女性をエスコートする男性、手をつなぐ男女、手をつないで母親のポケットに手を入れる子供、元気な子供たち、犬と散歩する人、自転車に乗る人、杖をつく男性、携帯電話で話す人などです。「画になる人!」そのような気持ちが動いた時、そのすれ違う一瞬に歩きながら撮りました。因みに一瞬の「瞬」とは仏教からきた時間の単位で「摩詞僧祇律(まかそうぎりつ)」によると1瞬は20念(1念=0.018秒)で0.36秒ということ。それを意識してシャッター速度を合わせて撮りました。進む時間の中、歩く自分、向かってくる相手、すれ違うその一瞬、つまり動いている中に現れた一瞬の像、それこそが「画になる」と感じた人の時間の中における本当の姿かもしれません。


▲ top